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REPORT

「獅子舞で都市と接続せよ」稲村行真(獅子舞研究家/芸術家)

  • 領域横断ワークショップ

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レポート

獅子舞研究家・美術家として獅子舞に関する活動を行う稲村行真氏をゲストに、レクチャーとワークショップを開催した。

レクチャーでは、獅子舞を都市を見るための「フィルター」として活用し様々な土地で獅子舞の制作を行う氏の活動を通して、獅子舞とは何か、どの様に獅子舞を通して都市を読み解いているのかを紹介していただいた。獅子舞は信仰の対象となっているだけでなく、地域交流の基盤としても機能している。その街固有の獅子舞を作り舞うことで、それを許す感情や空間の寛容さを探す過去のパフォーマンスを紹介した。

ワークショップでは、本校を対象敷地として参加者が獅子舞の制作と舞いを行なった。まずは、キャンパス内を歩き獅子舞の素材探しに出かけた。参加者は学内者と学外者が半々ほどであり、学内者にとってはいつも過ごしているキャンパスでも知らない場所を見つけたり、学外者と歩くことや素材を探すために周辺を注意して見ることでで気づかなかった植物や街灯、看板を見つけたりした。

完成した獅子舞は、想定よりも工夫の凝らしたものとなり、参加者全員が中に入って舞うタイプの大きな獅子が生まれた。日が暮れかけた夕刻に木の枝を叩くお囃子が鳴り響き、多足の獅子が横浜国立大学のメインストリートを練り動いた。

ひとつの獅子舞をみんなで舞うことで、舞い手たちには不思議な一体感や普段の自分ではないような高揚感が生じ、獅子の一部として動かされていた。あの自分から乖離した体験は、他の参加者にも共有できていたのではないかと思う。また、その乖離は舞いという行動だけでなく、あの時発見した場所にも作用していた。そこを再び訪れても発見時のような秘匿さや神秘さはすでになく、それが時限つきの体験だったことに後から気づいた。

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