レポート
建築、映画、演劇などの分野で領域横断を実践するアーキテクト・コレクティブ ガラージュによるショートレクチャーと、大学構内で場所をみつけ、その場所から身体の動きを引き出し、映像に記録するワークショップを行った。
本ワークショップでは大学を超えて定員の15名が集まり、建築、身体表現、映像など様々な専攻の学生が集まることとなった。
レクチャーの様子(写真:伊東陽菜)
ガラージュによるレクチャーは、渡辺さんによる劇場の歴史的な変遷と空間に関するものと小田切さんによる身体と空間の結びつき、動的な建築についてお話いただいた。小田切さんの近作であるMIKAGE SHIN青山店では、歪な湾曲するステンレス鋼材は工務店の職人の手や身体の動きが空間に投影されており、それが立体的なディスプレイでもあり客の流れや動きを導くようなものでもあった。身体や空間との結びつきに向かうレクチャーであった。
その後各々でキャンパスのフィールドワークを実践し、発見した空間を持ち寄りディスカッションを行った。ガラージュのレクチャーからインスピレーションを受けキャンパスを歩き回る体験は普段通い慣れたキャンパスがこれまでとは違って見え、より微細なスケールで身体との関係を考え、自分たちが過ごす場所の再発見につながる体験であった。関心のある空間に基づき3つのグループに分かれてガラージュを交えてキャンパスを練り歩き、発見した空間と結びついた活動や動き、視点についての動画を作成した。
パフォーマンス映像撮影の様子(写真:©️ガラージュ)
映像クリティークの様子(写真:©️ガラージュ)
「場所・動き・見る眼」と題された本ワークショップでは、普段生活する空間を再発見し、それぞれの専門性を超えた実践となっただろう。自分の領域にとどまらず横断して思考することで普段の自分の領域に囚われた思考を乗り越える手がかりになったのではないだろうか。
作成:吉武洋輔(建築都市文化専攻 建築都市デザインコースY-GSA)